始まると主人公は死後の世界にいた
目の前には死神
復活するための試練を与えられる
期限は7日間
『7デイズ』というアドベンチャーゲーム(アプリ)のレビューです。評価が難しく、有料ゲームという事もあって中々おすすめしづらいところはあります。
1周クリアした時点での感想はもやっと、3周クリアしてもやっぱりもやっとしました。
理由としては、物語の着地点が見えづらいところが大きいかなと思います。短くコンパクトにまとめられているが故にキャラクターに感情移入し難い点があるかなと。
背景の描写が少ないのもあって割と思考力を求められます。ジャンルがミステリーだからむしろ色々想像したい派な人には楽しめるかもです。
暗い配色。控えめなBGM。ダークテイストが好きな人にとってはこのゲームの世界観は直ぐに入り込めると思います。
ゲームとして、物語として、どういった点が楽しめるのか。考察しました。
ゲームの基本情報
- 題名:7デイズ
- 種類:アドベンチャー / ノベル
- 記録:オート
- 画面:縦向き固定
- 料金:300円
ストーリー冒頭部分(ゲーム画面に沿って)
主人公はキレルという名前の女性です。最初にプロローグから始まります。

目覚めると目の前にはカロンと名乗る死の案内人が、「最後の夢」「取調室」だと言ってきます。更にキレルは死んだのさと伝えるカロン。

わけがわからない状況に戸惑うキレルは、自分の名前すら何も思い出せない事に気づくと、カロンは忘却の川を渡って来たと。

そんなキレルに復活の機会を与えると。ただし復活するためにはカロンが決めた試練をやり遂げなくてはいけません。
復活するにもまずは自分自身の事を知らなくてはいけない。カロンの尋問が始まります。

尋問が終わると、復活の試練についての話へ。死者のコンパスを渡されるキレル。試練の内容はコンパスが示す場所に向かうこと、期限は7日間です。
ただし、コンパスは周囲の誰かが死なない限り回り続け目的地を指し示さない特殊な物。つまりはキレル以外にも試練に臨む人がいることがわかります。
しかし試練の内容は各々違うことには注意しないといけないと最後に言われ、7日間の試練が始まります。


1日目。早速キレルは誰かと出会います。ここで出会う相手は実はプロローグの尋問結果によって変わります。

さてどうやって試練をクリアするか、というのがこの物語のキーとなる部分です。
キレルの試練は誰かが死なないといけないために慎重に事を進めないといけないという点。
またキレル以外にも試練に臨む人は4人出てきます。キレル同様に死に関係する試練内容の人も出てきます。
- 協力するか、敵対するか
- 自分の試練を話すか、話さないか
- 相手の試練(特に条件)は何なのか
プレイヤーは選択を迫られ、7日の間で5人はどういう結末を迎えるのか(復活するのか)を楽しむ会話形式のミステリーノベルです。

キレルたち5人は試練のルールとして、必ず毎夜に夢を見ます。実は死ぬ前のリアルを描いた夢で、段々と自分を理解していきます。
見知らぬ人達、と思いきやリアルでの繋がりが夢を通して見え隠れする。登場人物の関係性を想像させる見せ方をしていて面白かったです。
シンプルなゲーム性について
7デイズのゲーム性については非常にシンプルなストーリーを楽しむアドベンチャーゲームです。
ほぼキャラクター同士の会話にて物語が進行します(画面はLINEライク。)
プレイヤーがすることは『2択を選ぶこと』だけです。最初から最後まで選択肢は2択オンリー、時間制限とかミニゲームみたいなのもないです。
思い切りを感じましたが、2択な分、余り悩まずにポンポン選択することができます。そのかわり、2択は頻繁に求められます。選択肢の多さではなく選択回数に比重を寄せた感じですね。

2択を選択すると頻繁に上下するのが各キャラクターの好感度。その場にいないキャラクター好感度も変化したりします。

好感度はフォロワー画面で常にチェックできます。

もう一つ画面があって、タイムラインです。各日にちごとに会話ログが確認できます。

一度クリアしたら分岐からやり直せるようになります。

というように『トーク画面』『タイムライン』『フォロワー画面』と、ゲーム中のメインとなる画面はたった3つしかないシンプルさです。
シンプルととるか物足りないととるか
一応、定価300円と有料ゲームである事を考慮した場合、ゲームのクオリティは妥当であるかを考えると微妙に思います。
面白いか面白くないかで問われると自分としては面白かったのですが、記事冒頭の通りにもやっと感が常に残りました。
まず一つが有料ゲームの割に痒いところに手が届いていない点。
バッドエンドで途中終了となると、死んだ日の最初に戻されます。クリアしたらある程度の分岐ポイントから話を進められるとはいえ、ある程度です。
もう少し細かくジャンプできる機能やスキップ機能があると嬉しかったです。
何よりストーリーが割とあっさりとした終わり方だったので、結局のところ何を伝えたい物語だったのかがピンときませんでした。
7日間を短くまとめた弊害な気がします。登場人物を深く知る前に終わってしまった感があるので、別途サイドストーリーやアナザーストーリーを見たくなりました。
- 逆に細かく描かれ過ぎない方が良い
- 要所をきちんと押さえてくれたらそれで良い
- 自分の中で想像を膨らませたい
という人にとっては楽しめると思います。ダークテイストな世界観が好きであればより入り込めます。
周回前提として捉える楽しみ方
ゲーム内では7日間を描いていますけども、実際のボリュームとしては2時間あれば1周終わります。
クリアしたらまた物語は最初から始まりますが、タイムラインや人物の情報は残ったままになります。
つまりは2週目、3周目と違う物語を見ていくことで各人物の情報が段々と埋まっていきます。なので周回を重ねていく中で色々とストーリーを分岐させながら、キャラクターの関係性を徐々に紐解いていくのが7デイズの醍醐味に思います。

以上です!
因みにこのゲームは私はほぼほぼ電車でプレイしていました。縦画面ですし黒色中心なので全く周りを気にすることなくプレイに集中できたのもメリットとしてあげられます。笑