「終わらない夕暮れに消えた君」という謎めいたタイトルのゲームをプレイしてみて、率直に。
今、毎日をただただ仕事で忙しく過ごしているだけだなって。
「子供の時に友達とゲームして遊んだりとか、一緒に泊まって好きな人について語り合ったりとか」
子供の時の記憶が今となっては淡い思い出となってしまっているような、そんな人にやってもらいたいゲームに感じました。
男同士の熱い友情なんて言葉からは遠ざかってしまっている人には、心に響く何かを得られるかもしれません。
後、世代的には30代前後かも。ファミコンでドラクエとかプレイした人は非常に懐かしく感じると思います。
ゲームの基本情報
- 題名 : 終わらない夕暮れに消えた君
- 種類 : アドベンチャー / ミステリー
- 記録 : 手動
- 画面 : 縦向き固定
- 料金 : 完全無料
ゲームシステムの概要について
ゲームのジャンルとしてはミステリー色の強いアドベンチャーです。
昔のRPGライクにストーリー重視
マップ移動があって、NPCと会話して。
一見するとRPGのように見えますが、合間に行動を選択したり入力したりと、基本は物語を進めてストーリーを楽しむスタイルとなります。

マップも夕凪島という小さな島が舞台なので、行き来できるマップ数も20程度と小さな範囲です。移動に迷う事もありません。
ストーリーは全5章で構成されてますが、寄り道しなければゆっくりやっても5時間程度でエンディングを迎えられます。
この寄り道というのはストーリーとは関係のないクエスト形式のイベントです。いくつかあります。
ただ所謂お使い系です。ほんとお遊び程度、このゲームはアイテムとかあるわけではないので正直やらなくてもクリアはできます。



ゲームのポイントとしてはグラフィックが味わい深いです。
今のゲームには珍しく、昔のファミコンやスーファミを彷彿とさせるドット画仕様で懐かしさを感じます。
それがどこか哀愁を感じるゲームの物語とマッチしていて、より何か…表現が難しいですけど浸れるんです。
5つの機能を駆使してゲームを進める
ゲームの機能としては、できる事は5つのみとシンプルなつくりで分かりやすく。
なのでやはりストーリー重視。ストーリーを楽しむためだけのゲームとも言えます。
- ジンブツ : 登場人物の説明を見れる
- キオク : 重要な出来事を見返せる
- マップ : 目的地を確認できる
- 実績 : クエストの状況がわかる
- セーブ : 状態を記録できる






ちなみに画面上部に広告が常に表示されていますが、プレイに支障はならないレベルです。
ただ章終わりに強制的に見させられる広告はありますが、物語が5章までですので。そんな多くはないです。
他にも広告はありますけど、家の中でTVを調べると「CMを見ますか?」って感じで見たい人が見れる形にも分散していて、わりと親切設計なので好感が持てます。

ストーリーの概要について
タイトルからしてミステリーを匂わすこのゲーム。
舞台設定が神秘的なのでファンタジー感は最初からありましたが、でも何となくこの雰囲気はリアル路線なのかなと。そんな風に思っていたところ最後は思い切りファンタジーだったのがある意味の予想外でした。
でも、物語が非常に綺麗なのでエンディングは自然と感動してました。
だけどストーリー的にはシンプルなので、謎解き部分も難易度としてはイージーです。
そこを分かりやすいと捉えるか、つまらないと捉えるかで感動が変わってくるかもしれません。
10年前に失踪した友達の謎を解いていく物語
舞台は夕凪島という小さな島。
毎年11月28日に行われる「まがとき祭」という伝統的なお祭りがあり、なぜかお祭りの当日にだけ数時間にわたって夕焼けが続くという神秘的な自然現象が島にはある。
10年前のお祭りの時、クラスメートでかくれんぼをしていた。
すると友達のイヅルが隠れたままいなくなってしまい、見つからないまま10年が経過した。
そして今はまたお祭りの時、10年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こそうと学校へ。
しかしタイムカプセルは見つからず、代わりに手紙が誰かによって埋められていた。
手紙には「10年前のつづきをしよう…」と謎のメッセージが。
果たして10年前に失踪したイヅルはいまどこへ?
謎を解くべくして主人公は島中を捜索して情報を集める。10年前の思い出をヒントに。


自分の思い出ともリンクする回想シーン
10年前、当時のクラスメート達の年齢は7歳。という事は小学校1年生ですよね。
第3章では当時の思い出を回想するシーンがあって。それは友達同士の他愛もなく、今となってはかけがえのない思い出。
この懐かしさは大人になった今の自分からすると結構切なく胸にくるものがありました。
毎日がただただ仕事により過ぎ去っていく日々。
小学校、中学校時代の友達と会う機会もなく、暇もなく、みたいな。
大人になってから子供のころの貴重な時間を身に沁みて痛感する人は多いと思います。
忘れかけていたそんな大切な事を思い返してもくれるゲームだと、制作側の狙いがそこにあったかは分かりませんが、自分としては感慨深い思いに浸れました。

ゲームの見どころについて
はっきり言って、ゲーム性の部分では面白さはないゲームです。
なので物語ありきのゲーム。5時間程度で終わるボリュームに対して物語は上手くまとめられていますし、感動もあります。
もう一つ心動かされた要因としては物語のテキストだけではなく、BGMの要素も大きいかなと思いました。
物語を支えるBGMの重要性
このゲーム、回想シーンやエンディングではBGMが良い味を出しています。
決して曲数は多くないです。SE除くと全部で10曲もないように思えます。
島のBGMは1つしかないですし・・・だから覚えやすい、印象強く残るってのはあるんですけどね。
ここぞのシーンでかかる上に、ピアノとストリングスの旋律が結構切なく響きます。
特に最終章で真実が語られる時の壮大なBGMが切なく、思わず込み上げてくるものがありました。いいお話も相まってというのは言うまでもありません。
予想していなかった真相は定番ではありますが素晴らしいファンタジーだと、率直に思いました。

驚きの2週目の存在に思わず興奮
実は、エンディングを迎えるとクリアデータがセーブできます。
最初ただ実績が引き継げるだけな感じであーそういうことねって軽く見てたんですけど、ちょろっとプレイしてもーびっくり。
え、まさかの違う展開に広がっていく感じなの!?
何か主人公が全ての真実を知った状態で違う行動をとる、言わばアナザーストーリーな感じに進んでいくっぽいんです。
こんな見せ方やり方は滅多にないと思うので(少なからず自分は他では知らない)かなり斬新というか、単純に嬉しいですよね。
あ、いくっぽいってのはこの記事を書いている時点ではまだ2週目は進めていません。
もし2週目で更なる感動があった場合には別記事でお伝えしようと思います。

そんなわけで子供の頃の思い出がキーとなるこのゲーム。
自分の子供の頃も思い返しつつ共感しながらやっていくとより深く楽しめると思います。
最初、時代遅れなドット画仕様だからなめてプレイしていた自分が恥ずかしい限りです。笑