怖い話が好き、ミステリーが好き、疑心暗鬼な人間関係も大丈夫、そんなノベルゲームをアプリでやってみたい。
分岐やエンディングが沢山あって何度もやり直し進めていくような・・・。
『俺の記憶にカノジョはいない』は、コンプするにはかなりのやり応えを感じられるゲームアプリでした。
しかしライフ制により、無料では時間をかなり待たなくてはいけません。動画CMを見る必要もあります。
結論からいえば課金しなければやり込むのは厳しいゲーム。しかも金額は2400円とかなりの高額です。
正直なところもう少し安ければ・・・CGが綺麗で内容も良い、完成度は高いゲームです。一番引っかかったのは、値段の部分でした。
#この記事では極力ネタバレなしで書いています
#サイドストーリーについては以下の記事で見どころを2点、書いています
俺の記憶にカノジョはいないのサイドストーリー購入を迷っている方へ【ネタバレ注意】
ゲームの基本情報
- 題名:俺の記憶にカノジョはいない
- 種類:アドベンチャー(ビジュアルノベル) / ミステリー
- 記録:オート
- 画面:縦向き固定
- 料金:アプリ内課金あり
緊張感に包まれた物語、登場人物との関係性
主人公のアキトは目が覚めると病室でした。
なぜか3年間の記憶がありません。
目の前にはアキトくん、大丈夫?と心配する知らない女性がいます。しかも、アキトの彼女であると言います。
直ぐに退院する運びとなりますが、退院するまでも、退院してからも、アキトには不可解な出来事が数多く起こります。
その中心には彼女であるはずの女性『木野 陽菜』の存在が常にあり、果たして「本当に彼女なのか?」「信じられる存在なのか?」
一体、記憶を失う直前、アキトの身に何が起こったのか?

アキトに大きく関わるヒロインの存在は木野 陽菜だけではなく、もう一人『相沢 茜』という幼なじみがいます。
アキトは3年より前に出会っている茜の事は覚えています。度々接していく中で茜もまた、時折何かを隠しているそぶりを見せます。
アキトに突然、理由も言わず謎の忠告をする事も。

物語としてはずっと重苦しい雰囲気が続くので、朝のプレイは控えた方が良いかもしれません。
ミステリーノベルにしても、例えば間違った選択肢を選んでしまった場合とか、ネタに走って笑えたりなんてあるものですが。俺カノの場合は間違った選択肢でバッドエンド=大体が主人公、殺されてしまうという。
決して笑える雰囲気にはさせてくれません。良くも悪くも、真面目に謎を考えていくしかないです。
因みに、多少ホラー感出てますけどストレートな描写はないので安心してプレイはできます。せいぜい画面が一瞬真っ赤になる程度です(でもBGMは緊張感あります。)

十分なシナリオのボリューム
システムとして分岐マップというのがあり、どれだけ選択肢を網羅できたかを示すマップコンプ率が常にわかります。
物語は1日目~7日目と、全部で7日間を進めていきますが、分岐マップはそれぞれにあります。

選択肢の網羅は考えずに普通にプレイして、まずは普通のエンディングを見ました。次に戻って必要条件を満たしてから今度は真実がわかるエンディングを見ました。
かかった時間は3時間位だったと思います。それで全体のマップコンプ率は30~40%程度です。
俺カノにはバッドエンド含めたエンディングが40用意されています。あと課金が必要ですが、別途サイドストーリーが同じく40あります。
推測するに、10時間強、ゆっくり隅々までプレイしても15時間位のボリュームではないかと思います。
無料でプレイできるノベルゲームにしては結構なボリュームではないでしょうかね。
俺カノの特徴的なゲームシステム
ゲームの進め方として、他のビジュアルノベルゲームと違う点はどういったところなのか。
選択肢を選んで物語を進めていくのが基本スタイルです。中には5秒以内に答えないといけない選択肢が連続で出てくる、焦る場面もあります。
いつでも中断してホーム画面に戻ることができ、分岐マップからシーンを選択。戻って分岐をやり直すこともできます。
1つのシーンにつき、1回選択肢が登場する流れです(↓の画面で、◆のマークをセーブポイントと言います。◆→◆までが1シーン。)

一つ、大きな特徴として主人公には感情メーターというのがあります。何を選択したかによってメーターは値が増減します。
感情メーターの値によって見れるエンディングが決まるので、大事な値です。見たいエンディングによって値を調整する必要が出てきます。

もう一つ、個人的に面白いと思ったのが『スマホ』の存在です。スマホを入手してからは画面右下にアイコンが表示され、いつでもスマホ画面を表示できるようになります(シーンによっては一時的に表示不可。)

スマホが見れるからといってそんなにできる事もないのですが、謎を解く鍵がスマホの中にあったりとか。
あと急にLIMEにメッセージが入ってきて返信すると後のイベントに影響したりとか、普通にシーンの中でも何度もLIMEでのやり取りは出てきます。
因みにメールには予め迷惑メールっぽいのがいくつか入っていて、本文中にURLが書いてあります。
気になって実際にURLを打ち込んでみたんですけど、実在するURLではなくて何もなかったです。笑

課金なしでやり込むのが難しい理由
このゲームには課金するかしないかというジレンマがあります。
もちろん無料で最後までプレイできますが、ゲームを隅々まで遊びつくしたいと思った場合、無料のままではかなり厳しいです。
大大大な要因の一つがライフ制。
プレイヤーはMAX100のライフを持っています。ライフを消費してシーンを進めることができます。
1つのシーン(1回の選択肢)を進めるのに消費するライフは10、3日目からは15と増えちゃうのが地味に厄介だったり。
10だと10回ですけど、15になると6回しか進めることができません(◆→◆の回数です。)

そんなライフがどうやったら回復するか。課金して回復アイテムを買う以外ですと、時間経過で回復します。
しかし、5分で1回復です。となると、10回復させるには50分も待たないといけないです。
◆→◆進めるのに50分のボリュームがあれば良かったですけど、大体3分程度。よってライフが尽きてしまったらかなり待たないと進められない、となってしまいます。
一応、救済措置としてライフが尽きた際に、動画CMを見ることでライフを消費せずに1回プレイできる、またはライフが15回復の2パターンあります。
プレイし続けている限りはほぼほぼ発生するので、動画CMを見まくることで何とか進めることはできます。
でも一旦中断してホーム画面に戻ると出なくなったりするので 分岐マップを戻ってやり直し を前提として考えると苦しいです。

もう一つの要因が文字スピード。体感的に遅く感じました。設定で変えることもできません。
やり直しで同じシーンを何度も見ることを考えると、文字の表示速度が遅いのは地味に辛かったりします。
タップしたら素早く表示されるので、どうしてもタップ連打になってしまいますね。
といった2つの要因、実は課金で解決することができます。
1日目が終了した時点で48時間のタイムセールが発生します。タイムセール中にショップに行くと『ライフ無限』が販売しています。
文字通りライフが無限になります。動画CMを見なくてよくなります。ただし、これ単品でも 1200円 とお高い。

続いて隣にある『スペシャルセット』
広告が消えたりサイドストーリーが見れるようになったりしますが、『スキップ機能』が大きいです。
スキップ中は文章がタップしなくても素早く表示され自動で進んでいきます。気持ちだいぶ楽になります(欲を言えば選択肢までカットしてくれる機能があれば最高でした。)
ただしこのスキップ機能、スペシャルセットでしか買えません。なぜか単品では販売していません(泣)
タイムセールで500円お得とはいえスキップ機能のために1400円・・・いやはや。
そんなわけで『ライフ無限』と『スキップ機能』は俺カノでマップコンプしたい場合は必須です。
2つを買うとなると、必然的に『プラチナセット』となり、お値段なんと2400円です。
しかももの凄い重要なことが一つあって。
ライフ無限はタイムセール中のみ購入できる限定販売アイテム、と公式が言っております。
よってプレイヤーは1日目を終了してから48時間の間に、このゲームは遊びつくすに価するか否か!判断しないといけません(つらい)

私はレビューするために、というか面白いゲームではあったのでレビューしたいと思い買いましたが、そうでなければ迷いつつも見送ったと思います。がジャッジは難しいところではあります・・・。
物語の真相は意外で綺麗な結末を迎える
課金しても良いと思えるかどうかってノベルゲームなので お話が面白いかどうか が判断材料として一番大きいと思います。
もし、1回普通にプレイしてエンディングまで行ったとすると、きっと一番良いエンディングにはならないと思います。
条件があるので、攻略情報なしに偶然に到達できるレベルではないかなと。
悩ましいのがその一番良いエンディングでないと真実がわからないお話になっているところです。
そうなると戻ってちゃんと条件を整えてとなると、何度もライフを使わないといけないので時間がかかってしまいます。
ここが凄いジレンマです。

俺カノのお話として面白いのが、7日間ある6日目までは疑心暗鬼の連続でずっと地に足が着かないふわっとした感じです。
真実がわかるエンディングを無事迎えると、そこで一気に解消されるというか、納得できます。それが、意外な結末というか。
レビューコメントを見ているといくつかのバッドエンドとかのシーンから結末を予想できた人はいるみたいですが、自分は予想できなかったので意外に思いました。
ちょっと変化球すぎるかなって。
でも全く想像できないレベルでもないし、物語としてそれまでの不信感が嘘のように、綺麗な終わり方で晴らしてくれたのは素晴らしかったです。
しかも長いです。エンディングだけで30分はあったような、そのくらい終わりに力が入っている物語です(普通のエンディングはあっさり5分もかからず終わりました。笑)
更にサイドストーリーで主人公以外の人の視点にて、よりスッキリとしていく見せ方なのも面白い。
踏まえると確実に有料ゲームのクオリティではあります。ただ2400円てのは・・・うーん。
とまあ微妙な締め方にはなってしまいましたが、以上です!
