スマホアプリ「アナザーエデン」の攻略本である、ワールドアルティマニアのレビューです。
価格は税込2700円。これはアルティマニアの中でもかなり強気な金額設定かと。
一応、タイトルがアルティマニアと名付けられているため「攻略本」という位置付けでみています。
突然ですが、あなたは攻略本に対して、何を求めていますでしょうか?
今回、初めて攻略本をレビューするのでここが悩ましかったのですが、私の考えではまず2つの観点で大別できるかなと思いました。
- A:ゲームをコンプリートするために必要な攻略データの観点
- B:設定資料や開発秘話といったファンブック的な観点
アナデンのアルティマニアの場合は、どちらかというとBが強い印象です。
というより逆にAで見てしまうと、全く情報が足りていません。
その辺りの2つの観点において、何があって何がないのか、そして情報の濃さはどうか。
A→Bの順で見ていきます。
一応、この記事の前半はなるべく客観的な評価を、後半に主観的な感想と分けて書いてあります。
キャラクターデータが中心、攻略本としては弱い

このワールドアルティマニアは400ページある中で、仲間になるキャラのデータが半分以上を占めています。
これはとにかくキャラ数が多い(本の2018年7月上旬時点で108人)スマホゲームの特徴からして致し方ないかなと。
「ワールド」アルティマニアとしたのもフォーカスを限定せざるを得なかった意味合いが強かったかもしれません。
なので、攻略本として捉えると必要となるデータがごっそり抜けおちていたりします。
思いあたるところで列挙すると・・・
・ダンジョンなどマップの詳細データ
・敵のデータ、またボス戦などの攻略情報
・武器や装備品、アイテムのデータ
・クエストやねこ、釣りに関するデータ
大半の攻略本が掲載しているであろうデータが、アナデンのワールドアルティマニアには見当たりません。
つまりは、攻略本を見ながらゲームをプレイしたとしても、円滑に進められる代物ではないということです。
#一つだけ補足すると、キャラクタークエストについては各キャラのページに記載があります。ただ、内容のあらすじのみです
しかしその一方で「さすが攻略本!」とも言える、かなり重宝するデータが掲載されていたりします。
・各キャラのステータスMAX値やスキルの詳細、天冥ボーナス値のデータ
・幻璃鏡の宝箱、内容と確率データ
・アナザーダンジョンのFEARや宝箱、レアエリア、バッジについて確率などのデータ
・記憶の書の入手場所の詳細
・バッジ交換でもらえるアイテムリスト
・ダメージ量や回復量ほか内部的な計算式
このあたりは攻略サイトで得るには難しいデータです。何より、情報の信頼性が違いますしね。
特に誰しもがやり込む必ず通る道なアナザーダンジョンのデータは、アイテム集めがはかどるので重宝すると思います。
ストーリーは第45章までのあらすじが掲載
もう1つ、攻略データの観点からみるとストーリーに関する情報があります。
残念ながらマップ(の仕掛け含めた)データについては掲載がないですが、メインストーリーは第45章までのあらすじがまとまっています。
また、2018年7上旬までの外伝や断章についてもあらすじがのっています。
(キャラクター含めて)ストーリーを簡潔に知りたい、おさらいしたい時には便利ですね。
なので「ワールド」アルティマニアというわけです。
注意:データは2018年7月上旬までのゲーム内容にもとづく
初版発行が2018年7月31日の本なので当然なのですが、スマホゲームは日々アップデートされる性質ですので。意外と忘れがちかもと思い、書いておきます。
特にキャラクターデータです。
今だと★5やアナザースタイルが存在するキャラの情報はさすがに・・・攻略本はアップデートされないのでこればっかりはしかたないです。



アートギャラリーや設定資料、ファンブックとして楽しめる
冒頭で書いた2つ目
「設定資料や開発秘話といったファンブック的な観点」
これについては客観的評価は難しいですね・・・。
そもそもどのくらいボリュームがあるのかわかりませんし、その中から本に掲載された内容が妥当であるか・・・正直、判断ができません。
一応、ファンブック的観点ではどんな内容が掲載されているかというと
・各キャラの★5込みのイラスト
・ストーリーに沿って解説や開発スタッフによるQ&A
・各ロケーションなどアイデアスケッチの資料(デザイン案など)
・アナザーエデンの世界で使われる文字の対応表
・開発チーム40名それぞれのメッセージ
・開発チーム中心メンバー4名とのインタビュー
後半の100ページについては割と上記のような内容が中心なので、ボリューム的には満足できるのではないかと思います。
特に設定部分の解説はゲームを深く理解することができますし、開発スタッフのQ&Aの中にはゲームの裏話的小ネタが楽しめたりと、濃い情報が多いです。
あとは「これは第3部で語られるかも・・・?」のような先が期待できるコメントがあったりとか、ですね。
主観的という名の余談
ここからは主観的に思うところを書いていきます。
一度、アマゾンの神がかった梱包を味わってみたい話
一つ目は完全に余談なのですが・・・
今回、私はこの「ワールドアルティマニア」と、あとついでに公式画集である「THE ART OF ANOTHER EDEN」の2点をアマゾンでぽちりました。
アマゾンといえば、昔よくネタにされていたのが「梱包が(ある意味)神がかっている」という都市伝説。
私としてはむしろそんな過剰梱包にめぐりあってみたい!ネタとして面白いと思うんですよね。
毎回、アマゾンで購入するたびに期待しているのですが、今はもうさすがにないのかな?
今回も、わりとスペースに余裕がありますが普通の梱包でした・・・。

アルティマニアは子供のころバイブルだった
私がゲームに夢中だった子供のころ、アルティマニアといったらもうバイブルです。
あまりのページ数の多さに「もうこれ辞書じゃん!」と毎回、買うたびにテンションあがりまくりでした。
ただ、子供のころとは違い成長とは時にかなしいがな、アナデンの場合は「アルティマニアにしてはコンパクトになったな・・・」と感じてしまった点ですね。
まあでもこの本は「ワールド」アルティマニア。だから400ページのボリューム。
いずれきっと別のアルティマニアが登場するのだと、期待したいです。
#余談でちょっとアルティマニアについて思い出を振り返ってみると・・・
私が感動したのはサガフロンティア2のアルティマニアですね(懐かしすぎる!!)
ページ数は512ページですけど、攻略本なのに一番の目玉といえるのが巻末にあるオリジナル小説で、確か100ページくらいはありました。
小説以外にも面白いコンテンツが豊富で、読み物としてすばらしかった思い出があります。
ファンだからバイアスかかってしまう話
今回の記事では少し批判的な内容が目立ったかもしれませんが、実は主観的な感想としては十分に楽しんで読んでいます。
ただ私の場合は、アナザーエデンは既に16000円くらい課金していて、やっぱりゲームが好きになってくると関連商品も欲しくなってきますよね。
というので現に我慢できなくて買っていますし・・・。
間違いなくアナデンはファンになっているのだと思います。という影響がどうしても感想にはあらわれてしまいます。
なるべく、冷静な目線で書いたのがこの記事の前半の部分です。
熱量の高さとゲームの面白さは比例する
最後に、このアナデンのワールドアルティマニアを読んで確信したことが一つ。
「制作者の熱量の高さは間違いなくゲームの面白さに反映される。」
巻末のインタビューを読んでいたら、ふとそんな気持ちになりました。
アナザーエデンの場合は開発チームの規模としては、他のスマホゲームと比べて小さかったみたいです。
その分、全員が「ゲームをおもしろくする」という目標に向けてひとつになれた、と書いてあります。
アートチームからは自主的に「アナザースタイルのデザインを作ったので、ゲームに出してください!」という話も。
※上記については一部、インタビュー内の文章をそのまま引用しています。
やはり規模の大きさに比例して、1人あたりの熱量の平均は下がってくる気がします。
多くの人間のモチベーションを維持させるのは、難解な話です。
だからゲームがつまらなくなる、とは言わないですが、逆の場合に関しては言えると、改めて確信しました。
それは作り込みの量に比例するからです。手を抜かなくなるとも言えます。みんなが必死にアイデアを絞り出します。
ここで昔を引き合いに出すのもな・・・とは思いますが、昔のゲームに感動した作品が多いのは、「まだ規模が小さかったから」という要因もあるのかなと思いました。
↓は2~3年前のミニファミコンが出た時の、開発陣によるFF3プレイのYoutube実況です。
この一連の動画はみんなの会話を聞いているだけで、当時の熱量の高さが感じられます。
・・・といいつつリンクを貼ったのは、個人的に大笑いした動画をチョイスしてしまいました。笑
以上です!
後半は少しオピニオン記事(というか昔話)になってしまいましたが、
アナデンのワールドアルティマニアは「キャラクターの詳細データが知りたい!」「イラストが綺麗なアナデンだから、色んなラフ画とか見たい!」
という人には楽しめる内容になっています。ご参考になれば幸いです。