今回はストーリーのある脱出ゲームアプリのレビューです。
『誰もいない街』
このタイトル、そしてタイトルイメージを見ると幻想的ではありますけど少しセンチメンタルな雰囲気も漂わせているような気がします。
いざプレイしてみるとストーリー部分の文章、さほど文章量は多くありません。多くを語らないところの余韻というか余白を楽しむ感じです。
ゲーム自体もさくっと1時間程度で終わる量です。難易度も易しいのから中々考えさせるのまで程良いレベルに思います。
肝心の物語の内容についてはちょっぴり切ないです。ですがしっかり作り込まれているわけではなく、余白を楽しませる作りなので行間を読むのが好きな人向けです。
それでも、最初は「何だ何だ?」って感じにさせといても、クリアした時にそういう事かと一応理解はできます。
- ストーリーがあり脱出と連動している脱出ゲームをしたい
- 段々と難易度の上がる脱出ゲームをしたい
- 1時間程度でクリアできる脱出ゲームをしたい
という方向けな脱出ゲームが『誰もいない街』です。
ゲームの基本情報
- 題名:誰もいない街
- 種類:アドベンチャー / 脱出ゲーム
- 記録:オート(ステージ毎)
- 画面:縦向き固定
- 料金:完全無料
誰もいない街の進め方の特徴
脱出ゲーム『誰もいない街』はステージが8つに分かれています。1つ1つは短く、合わせるとクリアまでに1時間ちょっとな感じです。
もし、全く悩まずにさくさく進めたら30分もかからないのではないかなと思います。
移動可能な画面の数もそんなに多くはありません。ゲーム開始直後は4画面しか探索範囲はありません。
ステージが進むにつれて移動できる部分が少しずつ増えていく形です。例えば、遮断棒が降りていて最初は通れなかった踏切があるステージクリア後に通れるようになっていたり。
このゲームで特徴的なのは最初から4つの画面の中で調べられる箇所が多いという事。ステージ1で必要となる情報以外にも、後のステージで謎を解く鍵となる情報もあります。
喫茶店の中にあるキャンドル、チョークで汚れた看板、エアコンの室外機、自販機、郵便ポスト、踏切、地図、ポスターの内容 等々。いきなり色々気になる箇所が見つかる。
なので最初のステージから少し頭の中で情報を整理しておく必要があります(後のステージでそういえばここ調べて出たのはまだ使ってないよな・・という形で現れる。)

操作方法とステージ1謎解きの雰囲気
操作方法については他の脱出ゲーム同等です。基本は怪しい所をタップすると何かしらの情報やアイテムを入手する事ができます。
同様に何かを入力するような物も見つかり、入手した情報とアイテムを駆使して正解に辿りつければステージクリアです。
実際にステージ1の謎解き部分の流れを紹介します(答えは紹介しませんが。)

ステージ1でメインとなる場所が喫茶店です。
色々と調べられる所はありますが、真っ先に入手できるアイテムが『ガラス瓶』で、瓶には何やらアルファベットと『コーヒー粉』と書いてあります。

アイテムは更にタップすると拡大したりと変化が起こる事があります。ガラス瓶を拡大すると「内容よりも配置が気になるな・・・?」と何かしら気づきがあったりします。

更に調べると『コーヒーミル』を発見。

そしていかにも何かが起こりそうな物体を発見します。4つあるボタンはタップするとアルファベットが変化します。

喫茶店を出ると、左の画面に移動したところで『コーヒー豆』を入手しました。

ついでにこれまたいかにも怪しい計りを発見。ここで「アルファベットといえば・・・?」と気づけるかが勝負です。

とりあえず喫茶店に戻って先ほどのコーヒーミルにコーヒー豆のアイテムを使ってみます。すると『受け皿』に変化しました。

このゲーム、時にはアイテムとアイテムを組み合わす事もできます。ガラス瓶にコーヒーの粉を移せました。

ここまで来たらステージ1のゴールまでは後少しです。
- さっきの4つ並んだアルファベットの上に描かれていたのは何か
- 喫茶店の外で見つけた計りで何か計れないか
- そういえばガラス瓶に書かれていた英語は・・・?
ボタンを押して正解の英字となると、ステージ1クリアへと進める事ができます。

大体は各ステージに↑の例のようにメインとなる謎解きが1つだけ存在する形です。簡単に解けるレベルのものもあれば、最後のステージなんかは自分は結構悩みました。
そこまで難しすぎず、程良い難易度です。
どうしても解けない場合は動画CMを見る事でヒントや答えを知る事はできます。
多くを語らないストーリーは物哀しく
誰もいない街はストーリー性のある脱出ゲームとはいえ、ストーリー部分は余り多くを語ってくれません。
一応なぜタイトルが『誰もいない街』なのかといったところがストーリーとリンクします。
ステージ1の冒頭では、今いる場所が主人公の住んでいる街だけど誰もいない、という事しか分かりません。
何に対しての脱出なのかも分からないまま進めていく事になります。
ステージを進めていくうちに段々と、なぜ誰もいないのか? 主人公は何をしようとしているのか? が見えてきます。

ただはっきりと説明してくれるというよりかは、最低限のモノローグと台詞から読み解く事ができるといったタイプのストーリーです。
エンディングも人によっては「気になる終わり方」とか「どういう事?」ってなるかもしれません。
個人的にはゲーム自体が1時間程度で終わるボリュームなので、ストーリーもこのくらいシンプルな方がバランス良くって楽しめました。
ストーリーの内容そのものは少し切ない物語です。エンディングで挿し込まれる画の雰囲気がマッチしています。
最後に「なるほど、そういうお話か。」とスッキリできたのが良かったです。
物語含め、画の雰囲気含め、幻想的な世界観が好きな人に合うゲームだと思います。

