主に4人の登場人物が会話中心に展開するノベルゲーム『普通な僕と、普通じゃない僕の友達』 クリア後の感想としては色んな感情が集約されての「いい話だなあ」と、一言で表すと薄っぺらく見えるんですけど、、
面白いというよりかは微笑ましい、でも時にぐっと心に突き刺さる。そんなハートフルコメディで。
「主人公、全然普通なんかじゃないよ、普通な人はそんなかっこいい台詞言えないんだよ!」・・・一番感じたのがこれだったりします。笑
チャット形式で気軽に読むタイプの話なので、時間ない人とかでも大丈夫な感じです(画面が縦向きなのも大きい。)
ゲームの基本情報
- 題名:普通な僕と、普通じゃない僕の友達
- 種類:ビジュアルノベル
- 記録:オート
- 画面:縦向き固定
- 料金:アプリ内課金あり
物語の概要、ポイント
最初にどんなストーリーなのかをなるべくネタバレしない程度に(この記事の後半部分は少しネタバレあります。)
きさらぎ学園ではある噂が流れています。学校内には生徒に紛れて化け物が生活していると。うっかり仲良くなってしまうと食べられて存在を消されてしまうと。

#この冒頭だけだと一見ホラーに思えてしまいますが全然そんな事はないのでご安心下さい
主人公の『三橋 はじめ』は学園に転校してきて2週間経つのに友達ができず、部活も決まらないことに悩んでいます。

自分には何の才能もないと、かなりのネガティブ思考におちいっていたところで声をかけてくれたのが『鬼塚 勇』ではじめより1年先輩の3年生。
初対面でいきなり「お前、友達いるか?」と不躾な質問をしてくる強者です。

いませんと正直に答えるはじめに「今日から俺が、友達になってやろう!」と第一印象から決まってましたばりのスピードではじめと友達になってくれます。
ついでに友達をもう一人と、部活まで紹介してくれることに。展開早いです。笑
実は鬼塚は人間ではなく既に100年以上も生きている『鬼』。部室でさっそく正体をばらしてくれます。
「なにばらしているのよ!!」と思わず声を荒げる2人目の友達が『真条 マリ』というこちらも人間ではない『魔女』です。ツンデレです(鬼塚と同じ3年生。)

ここでキーとなる設定が、2人は卒業するためには『自分の種族を明かさないこと』というお約束事があります。が、いきなり主人公には明かしちゃってるわけです。

人の良い主人公なので自分から誰かにばらす、なんて行為はありえないのですが後半に事件は起こります。
ラストは割とぶっとんだ展開へと。ただまあ、魔法が使える魔女やらがいる世界ですし、そこは何が起こっても不思議ではない世界観ですので。
まずは道中、3人で部活を作っていくために学校内や放課後、時には臨海学校なんて、イベントを通じて3人が心通わしていくお話がところどころ印象深く残ります。
人間ではないからこそ抱える苦悩を全て真正面から受け止めてくれるのが主人公で、とにかくいい人なのです(どうでもは付きません!)
ゲームの進め方
基本的にはひたすら文章を読んでいきますが、会話が中心です。
そしてノベルゲームなので会話の中で選択肢が出てきます。選択内容によっては『バッドエンド』または『アナザーエンド』と強制的に物語が終了してしまいます。

ですがタイトル画面に戻れば直ぐにまた好きな所から物語を再開できます。

大きく内容が分岐することはなく、また選択肢の数も他のノベルゲームと比べても少ない方に思います(基本は1本のストーリーを楽しむ流れ。)
物語は章ごとに分かれていて、全部で第八章まで。1つの章は30分程度なので、クリアまで3~4時間くらいのボリュームです。

選択肢による分岐も1つの章の中で3つか4つくらいしかないので、↑の3~4時間ってところで100%コンプリートできてしまうと思います。
これが有料ゲームだったら物足りなさを感じてしまうと思いますが、無料ゲームとして考えると逆にこのくらいサクッとクリアできるボリュームは丁度良かったです。
サクッとプレイできる感が機能的にも優れているのがやり直し機能です。バッドエンドやアナザーエンド時に動画CMを見る必要はありますが、選択肢直前に戻してくれます。
更に、タイトル画面から話を選ぶ時にも動画CMを見ると、選択肢直前に飛んでくれます。これが非常に便利です(CM見る時間はかかりますけどね。)

踏まえた上でゲームの進め方としては
1.好きな選択肢でとりあえず物語を進める
2.章が終わったタイミングでタイトル画面へ戻る
3.その章の中で見ていない選択肢を潰していく
都度都度も良いですが、章単位で100%にしていくやり方が面倒ではなく良いかなと思いました。
見どころは主人公が自分を持っていないと見せかけて言う時は言うところ
いつもならこの辺りでゲームのどうかと思うところをあげていくのですが、特段思い浮かびません。
無料のノベルゲームというところでそもそも期待値が大きくは無かった、というのはあると思いますが。
読むのに体力を消費する、といった無料ゲームではありがちなのもないので。ストレスなく物語を楽しめます。
あえて上げるとすれば、もう少し選択肢と分岐はあったらより楽しめるかなとは思いました(シナリオを作るのが大変だとは思いますが。)
それ以上に内容が思いがけぬほど良かったというのがあります。特にキャラクターの役割がそれぞれ立っている点です。
鬼である鬼塚 勇はみんなのお兄さん的存在で、実は気遣いやさんです。最初はぐいぐいくるタイプかと思いきや意外にも人一倍空気を読んでくれます。
時に物事の真理を突くような意見を述べるところがカッコ良くて、さすが100年以上も生きている歳の功といったところです。要は大人。

魔女の真条 マリはもう絵に描いたようなツンデレっぷりが可愛いキャラクター。定番ですが魔女にツンデレはハマり役です。

そして 普通 な主人公は素直でどうしようもない程にお人よしな性格。その上、自己評価がとても低くおどおどとした態度が目立ちますけど時にはカッコイイ面、別名 たらし の面も持っています。
それは言う時はちゃんと自分の意見を言うところです。何より言い方が「確かに○○ですよね」って共感から入るところ、間違いなくコミュニケーションスキル高いです。

最後に4人目にも軽く触れておきます。第4章から登場する『白羽 いのり』。彼女もまた人間ではありません。
彼女は何でしょうか、というところが物語において重要な位置付けとなります。

課金で追加される番外編とは
無料で楽しめる本作ですけど一つだけ課金要素があって、一度本編をクリアすると番外編というオマケの章を購入できます。

値段は360円です。
夏休みの研究レポートを作るために3人がそれぞれ ある体験 をします。それを主人公たちみんなで手伝うというお話。
これまた本編同様にほっこりするお話が楽しめます。
シナリオのボリュームはそんなに多いわけではないので、本編をプレイしてキャラクターに感情移入できたら、での判断が良いと思います。
以上です!
絵柄含め全体的なテイストはほんわかしているので安心して読むことができますし、バッドエンドは似たようなのが多いですが、アナザーエンドはコメディ色が強いのでツボにハマると面白いです。

ラストは少しシリアスにもハートフルで締めてくれる。一言でいえば「いい話だなあ」に集約されますが、決して軽く見ているわけではない、というのは付け加えておきます。

