元々はアプリ内課金だったのが、買い切りの有料アプリとなった『ワンダーブロック』のレビューです。
パズルゲームにRPGの要素がミックスされたシステムが特徴的ですが、ブロックパズルが好きな人はハマります。(RPG好きではなくてブロックパズルが好きな人ですね。)
そもそもブロックパズルが嫌いな人はひたすら問題を解いていくタイプなので苦痛に感じるかもしれません。ですがブロックパズル好きであれば楽しめる要素が満載なので夢中になれます。
大きな理由としては2つ。
- コミカルなグラフィックが楽しい気分にさせてくれる
- ベースとなるパズルゲームの完成度が高い
上記理由の具体例を軸にワンダーブロックの面白さについて感じたことを書いていきます。
ゲームの基本情報
- 題名:WonderBlocks
- 種類:パズル / RPG
- 記録:完全オート
- 画面:縦向き固定
- 料金:税込480円
コミカルなグラフィックと世界観のゆるさが楽しい
パズルゲームのグラフィックってコミカルなのが多いと思いますが、ワンダーブロックは特にグラフィックの部分にセンスを感じます。
私はまずグラフィックに一目惚れしました。ユーザーレビューでも同様にグラフィックとかデザインが良いという声はかなり多いです。
見ているだけでも楽しいのですが、タップした時の動きがまたコミカルだったりするのが洒落てる点で、つい色んなところをタップしたくなる色んな仕掛けが用意されています。
↓はオープニングからのキャラクターによる説明時の画面です。棒がくるっとなって絵が変わる演出。

↓ホーム画面です。ポップなグラフィックのようで、でも配色は目に優しいのが何気に嬉しい点。あくびしているキャラクターをタップすると裏面が見えてしまう演出は繰り返すと台詞が変わります。

↓は酒場の画面です。酔いつぶれたお姉さんをタップしまくることでタグを獲得。笑

といったように楽しい世界観なのがワンダーブロックです。
そもそもゲームの設定からして独特でして。
RPGの世界で勇者が魔王を倒したものの、モンスターは世界中に残存していて。ただし弱体化しているので一般人でも倒せます、という『その後の世界』がワンダーブロックの世界です。

「魔力が抜けて小さくなるとこうもコミカルな姿になるのか!」というようにモンスターは基本ゆるく。ゆるすぎるくらいなので逆に、モンスターの印象は弱くなってしまったような気がしました。
全体的にもRPGをベースに見てしまうと物足りなさを感じますので、やはりこのゲームはパズル部分がベースであると言えます。
ひたすらパズルをやるゲームです。
ゲームの完成度が高い5つの要因
ワンダーブロックのメインはやはりパズルの部分。RPGの要素が加わり独特のルールにアレンジされています。
- 色んなブロックの形から自分で選ぶ戦略性
- 盤面上の多彩なしかけにより、何度も長考
- ステージクリアだけならやさしい、SSランクでクリアとなると難しい
- 200以上のステージ数と、ミニゲームも豊富
- 必要に迫られるのはキャラクターの育成
ゲームシステムの面白いポイントは5つかなと思いましたので、それぞれ深堀していきます。
バトルのルールについて
最初に簡単にルールについて。
バトルにおいてどの順番でターンがまわってくるかは、キャラクターのスピード値により決まります。
キャラクターがもっているブロックの形をうまく盤面上にあてはめていくゲームです。
マス目状の盤面にブロックをはめると、そのマスは消えます。マスが消えたらキャラクターの攻撃力に応じて敵にダメージをあたえられます。

そしてテトリスの要領で横と縦、どちらでも1列を消すと『スライド』が発生して敵に大ダメージ。

スライドは消えた列分を補充する形で画面外より新たなマスが追加されます。横に消したら上から、縦に消したら右からという感じで。同時に多くのスライドを発生させることで、更にモンスターに大ダメージを与えることができます。
↓は横と縦の列を同時に消す『クロススライド』の例です。ちょっとわかりにくいですけど、画面の爆弾マスを消すと横1列が全て消える、というのを利用しています。

5以上のスライド数ともなれば、かなりのダメージ数になります(↓はだいぶキャラクターを強化したうえでの数字ではありますが。)

もし、どこにも配置できる場所がなくなってしまったら『ブレイク』となり、大ダメージを受けてしまいます。

ブレイクすると盤面はしきり直しでリセット。ダメージだけではなくてスコアもがくんと減るので、いかにブレイクせずにブロックを配置し続けられるかが勝負となります。
ブレイク以外にもモンスターのターンがまわってくるとパーティーはダメージ。そのため戦いが長引くと負けてしまいます。いかにスライドを多く発生させて早くモンスターのHPを0にできるかも大事です。
要因1:色んなブロックの形から自分で選ぶ戦略性
ワンダーブロックが変わっている点として大きいのが、ブロックの形状を自分で選ぶことです。
まず、パーティーは6人の編成にて、その6人はガチャにてキャラクターを集めます。
ガチャはゲーム内の通貨にてまわせます。
もちろん買い切りアプリなので購入時以外にリアル課金は発生しません。ステージのゲームプレイにて貯めていきます。

仲間になるキャラクターはゲームの設定上、一般人なので、とても戦いに向いてなさそうなキャラクターも多いです。

キャラクターにはRPGのようにHPや攻撃力といったステータスがあり、スキル(技)を所持していますし、レベルもあります(あと曜日による属性なんてのも。)
なによりは『ブロックの形状』です。
キャラクターごとに持っているブロックの形状が違う点。パーティー6人を選ぶ時に、変な形のブロックのキャラクターばっかりを選んでしまうと、直ぐにブレイクとなってしまうので・・・。

バランスを考えつつも、実は大き過ぎないシンプルな形状のブロックがやりやすかったりとか。このあたりは何度かプレイする中で、自分なりの戦いやすい組み合わせを見つけていく感じです。
要因2:盤面上の多彩なしかけにより、何度も長考
1回のバトル(1ステージ)は短い時で2~3分で終わったり、長い時は30分かかったりもありました。
というのも盤面上にはステージによって仕掛けがあり、しかもステージが進むごとにしかけはどんどん増えて難しくなっていきます。
ワンダーブロックはテトリスみたいな落ち物ゲームではないです。時間制限がないので次の一手はゆっくりと決められます。そのためどうしても長考になりやすいです。
#仕掛けの一例
例えば↓の画面。ステージセレクトでは事前にボードINFOによりどういったステージかを見ることができます。

爆弾マークのマスは消すと広範囲が一気に消えますが、簡単にスライドできる反面、配置できるマスをも潰してしまいかねません。
使いどころは考える必要があります。
#厄介な仕掛けのステージ
左の画像がスタート時。わかりづらいのである程度マスを消した状態が右の画像です。

このステージは4種類の仕掛けがありますが、厄介なのは矢印がぐるっとなっているマスです。1ターンごとに矢印の方向にマスが動きます。
間違いなく適当に配置しているとブレイクになります。2~3手先を見通さないといけないですが、しかしながら運の要素も大きいです。
といったように単に1列マスを消せば良いだけではない、盤面上には色んな仕掛けがあるので頭を使います。簡単ではないです。
要因3:ステージクリアだけならやさしい、SSランクでクリアとなると難しい
ステージは敵を倒すことが目的ですが、もう一つに高いスコアでクリアするというのがあります。
スコアにはランクがあって、最高ランクは『SSランク』
SSランクでクリアできるとご褒美があります。獲得数によって限定キャラをGETできたり、隠しステージが解放されたりします。
なので必然的に全部のステージでSSランククリアを狙っていくことになるわけですが・・・。

各ステージをただクリアするだけなら、実は簡単にクリアできてしまう難易度です。
敵の攻撃は大した事ないので。よっぽど長期戦にならない限り敵の攻撃で死ぬことはないんですけど、SSランクでクリアとなると話が変わってきます。
理由は一度もブレイクできないからで。ブレイクでスコアがかなり減りますので、1回でもブレイクしてしまうとSSランクにはなりません。
なんですけど、敵のHPが意外と高いので普通に長期戦になったりします。長期戦になるほどノーブレイクは難しいんです。
私の場合はステージによっては何度もリトライして、1ステージ30分以上とか普通にかかったりしました。

要因4:200以上のステージ数と、ミニゲームも豊富
ワンダーブロックは価格が税込480円でそこまでステージ数多くないかなと思いきや、実は凄いボリュームという。メインとなるステージ数だけでも200以上あります。
いくつかモード(ルール)の異なるミニゲームがステージの進みにより解放されますし。
例えばデイリークエスト。盤面を回転させながら全てのブロックを綺麗に埋まるようにあてはめていくミニゲームです。
メインよりも純粋にパズルな感じでこれはこれで難しい。

ひたすら敵と戦う夢想モードというのもあります。HP継続のまま連戦となるので、いかに何回もスライドさせてどれだけ上の階層に到達できるかを試すゲームです。

他にもまだあります。実際にゲームのボリュームは時間でいうと30時間くらいは遊べるかなといったところです。
要因5:必要に迫られるのはキャラクターの育成
キャラクターの成長は『素材』アイテムを使うことでレベルをあげる仕組み。

素材アイテムはただ使うだけなので育成の仕組みは単純なのですが、ちゃんと育成しないと中盤以降はくるしくなってきます。
要因は敵のHPが高いこととステージ上のしかけが段々と厳しくなっていく2点です。
そのためステータスの中でも攻撃力(ATK)はないがしろにできません。長引けば長引くほどブレイクの可能性が高まりますので。
ゲームバランスも考えられているゲームに思います。
素材はそんなに多く手に入るわけではなく盤面上に配置された宝箱のマスを壊すと入手できるのですが、素材を頑張って集めようとなるとブロックの形状と盤面の仕掛けと宝箱と、より頭を使わないといけなくなる感じです。
操作は少し直観的でないところがあります(慣れが必要)
ワンダーブロックは完成度の高いパズルゲームですが、注意したいのが1点だけ。操作性のところで多少の慣れは必要かなと思いました。
まず、画面の移動。決してわかりにくいわけではないですが、移動がわずらわしい時があります。
というのもキャラクターの編成だったら酒場で、というように場所が1つに決まっているんですけど、割とステージセレクト画面でパーティーの情報を見たくなることがあったので、最初は「あれ?どこで見るんだっけ?」となりました(要は酒場まで行かないと見れない。)
また、バトルでは盤面の枠内で指をうごかさないとブロックは配置できないですが、これも慣れないうちはキャラクターのところから持っていこうとしてしまったことが。
少し直観的ではない部分があるように思えました。

慣れたら大丈夫ですので、最初のころの注意点になります。
まとめ:ストーリーは設定のみ、ひたすらパズルバトルがメイン
最後にまとめとして、ストーリーとキャラクターとバトルと、要素ごとに特徴(ポイント)を列挙してみます。
ストーリー
・あくまでパズルゲームでありオープニングは設定
・ゆるキャラみたいなコミカルな敵キャラのコミカルな動きを楽しむ
キャラクター(育成)
・育成部分は全て「酒場」で行う
・キャラクターはゲーム内通貨によるガチャにてゲット
・ブロック形状のバランスを考えて6人のパーティーを編成する
・素材を使ってレベルを上げ、ステータスの強化
バトル
・ステージにより様々な仕掛けがある、段階的に難易度が上がっていく
・宝箱マスからはキャラクター強化に必要な素材アイテムを入手できる
・キャラクターのスピード値で行動順が決まる
・ブロックを配置してマスをこわすと敵にダメージ
・敵のターンになるとHPにダメージを受ける
・横か縦か、1列こわすと新たなマスがスライド移動で補充される
・一度に多くの列をこわし多くスライドするほど敵に大ダメージ
・どこにもブロックが配置できないとブレイクとなり大ダメージを受ける
・SSランク獲得には、一度もブレイクせずにクリアしないといけない
・SSランクでクリアするとゲーム内通貨はより貯まり、限定キャラや隠しステージもプレイ可能に
バトルの項目が多いことからわかる通り、あくまでブロックパズルがメインのゲームです。
そのため、そもそもこの手のブロックパズルが苦手な人は楽しめない可能性が高い。独自のアレンジがされているとはいえ、ルールの基本は1列そろったら消えるという、テトリス的な部分は同じですので。
ですがこの独自のアレンジが非常に考えられているので、ついハマってしまう中毒性があります。
買い切り版になる前のころにコアなファンが多くいたというのもわかります。
今は買い切り版になっているので480円ですけど、買って後悔はなかったです。最初もっとステージ数は少ないと思っていたところの予想以上のボリュームの多さには驚きでした。
同じように480円以上の価値があるという声もちらほら。それほど完成度の高いゲームであるといえます。
左利き用の設定があったりと細かな気配りが感じられるのも好印象でした。