配信から2周年が経過したスマホ用アプリのアナザーエデンですが、「今から始めても遅いのでは?」と思っている方はいると思います。
が、全くもってそんなことはないです。
・イベントにおいて期間限定がない。いつでも全てのイベントを楽しめる
・メインストーリーはもちろんサブイベントについても基本、無課金で十分に遊べる
・限定ガチャはあるけど確率の違いが中心。ゲーム内でも特別なアイテムで入手は可能
このゲームの特徴は『完全シングルプレイ』であり、自分のペースで遊べることをウリとしています。
なので後から始めたとしても先に始めた人との格差はありません。
その上、スマホゲームっぽくなくて昔のRPGな雰囲気ですし、言うなれば「子供の頃に寝る間も惜しんでプレイしたスーファミのRPG」みたいな、そんな要素が満載です。
- RPGはやっぱり重厚なストーリーを楽しみたい
- RPGのバトルはランダムエンカウント派である
- RPGのボスは時間かかるほど強くないとやり応えを感じない
「とにかくRPGをやり込みたい人」にとってはかなり満足できる名作に思います。
また、アナザーエデンのバトルはシンプルなターン制のコマンド方式ですが、プレイしてみると意外とハマって中毒性があります。その理由を深堀しつつ、
50時間以上プレイした上で思う、アナザーエデンの面白さについて全てを、ちょっと多いですけど書き出してみました。
気になるところも含めてですが、アナザーエデンはどちらかというと表裏一体というか、良くも悪くもに思えるところが多いです。
ゲームの基本情報
- 題名:アナザーエデン 時空を超える猫
- 種類:RPG
- 記録:オート
- 画面:横向き固定
- 料金:アプリ内課金あり
アナザーエデンの主だった特徴
最初にいくつかは冒頭の繰り返しになってしまいますが、主な特徴について簡単にまとめます。
ソーシャルゲームではない
アナザーエデンはスマホゲームではありますが、いわゆるソーシャルゲームではないです。
ガチャによる課金やゲーム内の一部分でスタミナ制度っぽい仕組みはアナザーエデンにおいてもあります。
ただし、ソーシャルゲームの目的は『ユーザー同士がゲームを通じてコミュニケーションを図ること』からすると全く該当する機能がないのでソーシャルゲームではないと言えます。
つまりは他人を気にする必要がないので、自分のペースで黙々とプレイすることができるわけです。
そういう意味で古き良きRPGのテイストであり、ネットワークによる通信はあっても期間限定のイベントはないので、いつプレイしても良くて、逆にいつプレイを止めても良いです。
3つの時代を行き来する壮大なタイムトラベル物語
RPGなのでやっぱりストーリーが面白いかどうかは重要です。
メインストーリー部分のシナリオを描いているのは『加藤正人』という方。
子供の頃にクロノトリガーやクロノクロスなど(前)スクウェアのゲームをプレイした人なら、名前を聞いたことがあるのではないでしょうか(私としてはレジェンド級な方ですが。)
アナザーエデンのストーリーはクロノトリガー同様のタイムトラベル物で。
過去から未来へ3つの時代を行き来する壮大な物語になっています。演出においても結構、スケールは大きいです。
あとファンにとって嬉しいのはクロノシリーズを彷彿とさせるようなパロディ要素が多い点。カエルのキャラとか露骨なのから細かい部分まであります。

ランダムエンカウントによる冒険感
スマホゲームは簡単でお気軽な操作性を求められるので、RPGにおいても多くのゲームはダンジョンの探索性にはこだわっていなかったりします。
アナザーエデンの場合はバトルはランダムエンカウントです。ということはダンジョンを歩きまわって攻略する必要があります。
ワールドマップも3つの時代ごとにそれぞれ用意されていて色んなところに行けるので、RPGの醍醐味の一つである『冒険してる感じ』を楽しむことができます。
冒険感ならシンボルエンカウントの方がありそうですが、その場合は敵を避けることに多少なりとも意識が分散しますので、ランダムエンカウントの場合はマップ攻略のみに意識を集中できるメリットがあります。

ボスが強く必然的にバトルシステムを駆使するやり応えのある難易度
バトルの難易度は高めです。
ボスによってはちょっと頑張らないと倒せないレベルだったりします。
ザコ敵においても中盤以降は通常攻撃のゴリ押しでは厳しい、なので必然的にバトルシステムを使いこなさないといけなくなります。
アナザーエデンのバトルシステムはシンプルながらも戦略性があってバランスがとても良いです。特にボス戦はちゃんと考えないと負けるので、かなりやり応えありますよ。
戦術的には2つしかないんですけどね。しかも行動だけで見たら1つで、メインとサブのキャラクターを入れ替える『チェンジ』をどのタイミングで行うか、に尽きます。
#簡単にバトルシステムについて
バトルは最大6人パーティーで、敵に攻撃できるのは前に出ている最大4人までです(前衛がメイン、後衛がサブ。)
サブの控えメンバーは攻撃できない代わりに毎ターンHPとMPが回復します。
アナザーエデンは回復アイテムが存在しないので、サブへと下げることが(特にMPの)主な回復する手段となります。
更にもう一つこのメインとサブの入れ替えで、バトルの面白さに直結する絶妙な仕組みに『ヴァリアブルチャント』というキャラ固有のアビリティがあります。
味方の能力を上げるか敵の能力を下げる、いわゆるバフ&デバフの効果を付与する状態変化ですが、サブからメインに上がる時に発動します(効果は大体が1ターンのみ。)
つまりはチェンジするという1つの行動に対して2つの目的がある点。
ボスはとにかくHPが高くてどうしても長期戦になるので間違いなくMPは尽きますし、バフやデバフ効果も無視できません(というかこのゲームはデバフがめちゃくちゃ重要です。)
なのでいつ下げるかいつ上げるかといったタイミングが重要になってきます。

キャラクターを入れ替えるってこれだけのシンプルなアクションなのに、バトルに奥深さを感じられるのは凄いと思います。
加えて『アナザーフォース』ってゲージが貯まると制限時間内であれば一方的に攻撃できるシステムがあるので、コンボで大ダメージとインフレ的な爽快感もあります。

※バトルについては別記事にて、プレイ時間が200時間を超えた時にあらためて「何がおもしろいか」を考察しました。
1回目のタイムトラベルまでのストーリーあらすじ
アナザーエデンはホーム画面がなく、アプリをインストールして起動したらデータのダウンロード後にいきなり物語は始まります。
序盤にどういった形で物語は展開していくのか。ゲームの雰囲気が伝われば幸いです。
物語は16年前のシーンから始まります。とある森にて人間と対立している魔獣が人間の赤ん坊(主人公の妹のフィーネ)と出会ってしまいます。

すぐさま16年後の現在。朝に弱い主人公のアルドは妹に起こされ、警備隊の仕事へと。


#因みにこんな感じで取扱説明書があり、キャラクターの紹介やバトルのやり方などいつでも見られます


#次にどこに行けば良いかは緑の!マークで一目瞭然

最初はチュートリアルな形でフィーネと共に世界観を学んでいく事になります。

村の近くの平原へとやってくれば

早速のザコ戦。

そうこうしていると冒頭の魔獣王がフィーネを求め村を襲いにやってきます。

無残にも連行されてしまうフィーネ。

直ぐに追いかけ、早速のボス戦。

と思いきや直ぐにやられます。

なぜか主人公は凄い剣を持っていた模様。

魔獣王もびっくりなアナザーフォースを展開するも

結局はやられてしまいます。

「まだ間に合う!」って事で、近くの森まで追っかけると、魔獣王の側近と今度はちゃんとしたボス戦に。

何とかバトルそのものは勝利できても、圧倒的な強さの魔獣たちにやっぱり追い込まれてしまって・・・。すると突如アルドの目の前に次元の亀裂が発生、すがる想いで穴へと飛び込むアルドが行きついた先は・・・?

800年も未来の世界でした。

というのが大分端折りましたが、最初にタイムトラベルするまでの物語のあらすじです。
・ヒロインには不思議な秘めた力あり
・そのため強い敵にさらわれる
・そして追いかける中で色々と巻き込まれる
序盤は王道パターンなので、ひねった物語が好きな人には王道すぎるかもしれません。
ちょっとご都合的というか、テンポが良すぎるくらいにどんどん展開していくなというのが正直な感想でした(加藤氏いわく、スマホゲームのストーリーはテンポの良さを求められるのでそんな展開を意識した、との事です。)
確かにテンポ速くしないと収まらないくらいの物語量ではあります。タイムトラベルならではな展開、歴史の改変といった要素もきっちり盛り込まれています。
良くも悪くも時間がかかる壮大なボリューム感
とにかくボリュームが大きい、というのは良くも悪くもな面があります。じっくり腰を据えてプレイする必要がありますし。
要はめちゃくちゃ時間がかかる点です。
ストーリーが長い
メインストーリーは章立てでの構成。一応のクリアである第1部は全部で25章あって、更に1.5部、2部と続いていきます。
1章は直ぐに終わる短いパートもありますが、基本的にはダンジョン攻略とボス戦をクリアしないといけないので30分~2時間くらいはかかります。
それが第1部だけでも25章もあるとなると・・・、さあどのくらいかかるのか?という。
ただワールドマップはいつでも開けて一度行った場所は一瞬でワープできる、といった配慮はされているので、ストーリー部分を純粋に楽しめて移動のストレスは余り感じません。

クエストの種類が豊富
メインストーリーとは別に街やダンジョンでは色んなイベント、通称『クエスト』を発生させる事ができます。
クエストの量はかなり多いです。
というか種類も多いんですよね。通常のクエストの他にキャラクター専用のクエストや外伝クエスト、邂逅クエスト、はたまた断章クエストなんてものまであって。
ただしクエストをこなすと必ず『クロノスの石』という、ガチャをするのに必要なアイテムが手に入るので、そこがモチベーションに繋がります。
武器や防具の購入には素材が必要
個人的にはこれが一番面倒に思いました(苦行その1。)
ボスが強いから結局は装備品を整えなければいけない、そうなると 素材集め としてもザコ敵と戦闘しまくる必要が出てきます。
新しいダンジョンに行く度に敵が落とす素材の種類は変わり、しかも必要数が1つにつき1アイテム10個とか地味に多かったりするので、それを全員分揃えるとなると・・・。

クラスチェンジに必要なアイテム入手が困難
苦行その2です。
キャラクターにはクラス(レアリティ)が存在し、★が2~5で表現されます(5が一番高く、強い技を覚えレベルと能力値も最高まで成長できる。)
主人公含め、メインストーリーで必ず仲間になるキャラにもクラスは設定されていて加入時点では必ず★3です。★3では後半のボスではお荷物でしかなくなります。
「だから★を上げたいのですが、必要となる『記憶の書』というアイテムが全然集まらない!」(ここは声を大にして言いたい。)


一応、無課金でもそれなりの回数ガチャを引くことができます。
運良く★5キャラが1体でも出ればメインストーリーを進める分には大分楽になるんですけど、私の例ではクエスト等をこなしていったので、中盤くらいで4~5回は10連ガチャを引けるくらいにクロノスの石が貯まりました。
結果、無課金の状態で★5キャラを4人入手。★5が出る確率は3%なのでちょっと運が良かったのかもしれません。



素材と記憶の書については必要数をもう少し緩和してほしいところですね。ただでさえボリュームが凄いゲームなので。
とはいえ焦る必要はないゲームですから、寄り道含めてじっくりと楽しむのが良いかと思います。
気になる2点
細かいところでいくつか気になる点はあります。
クエストは基本おつかい
クエストが豊富なのはありがたいですが、ゲームとしては基本おつかいシステムなので作業的です。
大体のパターンとして
・街の人と話して情報を集める
・特定の場所に行き、イベントを進める
・特定の場所に行き、アイテムを入手する
・特定の場所に行き、敵を倒す
・特定のダンジョンにて、敵から指定数のアイテムを入手する
これらの組み合わせで3つか4つこなせば1つのクエストはクリアとなります。
作業的ではありますが、モチベーションが保たれた要因としては、まず1つはガチャに必要な課金アイテムが手に入ること。
もう1つがクエストなので1つ1つは短い物語とはいえ、良い話が多い点です。シナリオ制作陣は結構力を入れて作られたみたいで、思わずうるっとくる話がいきなりきて不意打ちくらったり、なんて事もありました。
ダンジョンはマップ埋めるのが中心
ダンジョン探索において、謎解きや仕掛けが全くないわけではないですが、個人的にはもっとあって良かったと思います。
(少し補足すると、仕掛けは結構あるんですけどスイッチング系が中心というか、脱出ゲームみたいな頭で考えて選択や入力を求められる仕掛けはあまりないです。)
どうしても道が分岐していて宝箱を入手するだけだと、これも単調で作業的になってきますので。折角、背景が綺麗なマップが多かったりするので余計に・・・。

ただまあザコ戦で素材集めなきゃというのもあり、何よりバトルは楽しいので、プレイ中は余り気にはならなくなってました。
いちおしの3点
気になるところについては細かなレベルではいくつも出てきますが、トータルで見たらそんな些細なことは気にならないくらいに面白いです。
ここでメインストーリー以外で、私的いちおしなポイントを3つあげてみます。
炭鉱の外伝クエストがやり込み多くてハマる
アナザーエデンには外伝クエストという、通常のクエストより遥かに長い特別な物語を指定の章まで進めると楽しむことができます。
4番目の外伝クエストである、炭鉱の村を大きくしていくお話がちょっと特殊で。ミニゲームみたいで面白いです。
・ドラクエでいう移民の町みたいに、段々と人が増え発展していく
・素材を採掘や採集して、その組み合わせでアイテムを作る。そして作ったアイテムにより炭鉱ダンジョンがより進められる
・進行に応じて小さなクエストが頻繁に発生する。村人同士の温かなお話が多い
という3つのバランスが良いので、単調な部分はあるのに本編そっちのけでついハマってしまいました。

キャラクタークエストの内容が総じて良い
多くのキャラクターがいる中で、唯一の人となりを知れる機会がキャラクタークエストだったりします。
大体のキャラが3本立てのクエストだったりしますが、お話がしっかり作られているので一連を通して感情移入してしまうことも少なくありません。
注意したいのがアナザーエデンはストーリー部分ではボイスがないので、ちゃんとテキストを読んでいく必要があります。
・小説とか文章を読むことに慣れている
・スーファミとか昔のRPGに慣れている
人にとっては問題ないでしょうが、流し読みすると面白いほど何も入ってこないです。少しゆっくり目にテキストを読むことをおすすめします。
飛ばしてしまうと凄く唐突な文章に思えてしまうところもあったりしますので。ゲームでテキストを読む時って自分で自分の間を作る必要があります。
因みにボイスがないのはシナリオチームによると直前まで手直しができるためで、それほどテキスト量が膨大であることを示しています。
基本、ボイスはキャラクターの紹介と戦闘中のみです。
バトル曲が多くて熱い
ボイスがない、とはいえゲーム中のBGMが素晴らしくマッチしているので非常に盛り上げを手助けしてくれます。
中でもバトル曲に関しては曲数も多ければ、プログレに熱くカッコイイ曲が多いです。長いボス戦を乗り切れたのは、曲に助けられた部分も大きいように思えます。
何でもアナザーエデンの前プロデューサーがRPGの中でバトル曲が好きな人で(音楽のジャンルでもプログレッシブロック)曲数多めの発注をしたとか。
そのため3つの時代でザコ戦もボス戦も全部曲が違います。
同様にRPGの中でバトル曲が好きな人はきっと高いテンションを維持したままプレイできると思います。
バトルに限らずイベントの曲も、スマホゲームの中では最高レベルにクオリティ高く感じました。サントラCDもかなり売れているみたいです。
総評:Youtubeの生放送で知れた開発スタッフの熱さ
そんなわけで2019年4月12日に2周年を迎えたアナザーエデンですが、Youtubeで生放送された動画を見るに、まだまだ熱き制作が続いているのでこれからも盛り上がっていくと思います。
さすがに生放送の回数は減ってますけどね。
でも、2017年春から始まり2019年春までに5本と、合わせると放送時間は10時間を超えます。私は全て拝見しました(2019年春はリアルタイムで。)
一緒にゲームを作っている仲なのにチーム内でネタバレを規制している話とか、色々と面白い話が聞けたんですけど、特になところで↓
シナリオのメインは加藤正人氏が書いているので、メインのキャラクターも同様です。
なのにも関わらず、「フィーネはこんな台詞を言わない!」と、自分が作ったキャラクターなのに他人にダメ出しされた話はツボにはまりました。その方は妹大臣に任命されていました。
それほどチーム内の雰囲気が良い証拠であり、みんながみんな良いゲームを作ろうと熱量が半端ないのが実際にプレイしてても感じ取れます。
前プロデューサーによる「売れる売れないではなく、ゲームは面白くなくてはゲームではない!」という熱いコメントもありました。
やっぱり魂のこもったゲームはプレイしていて伝わってくるものですが、そのお陰か良くも悪くも社会人殺しな大ボリュームに仕上がっている部分もあるかなと。笑
古き良きRPGのテイストなのも私としては嬉しいですが、これも良くも悪くもなのかなとは思います。
一応、動画のリンクだけ貼っておきますが、ただし見るのは多少なりともプレイしてからの方が裏話とかが理解できるので楽しめます。
もしクロノトリガーにハマった思い出がある人は2018春はおすすめです。クロノの裏話が聞けるレジェンドな回なので。
最後に雑談ですが、多分60時間くらいはプレイしていると思いますが、実はまだ第1部を終えられていません。笑
このゲームは久々に子供の頃みたいに隈なくやり込みたいモードにさせられてまして、寄り道しまくりな進め方をしているせいではあります。
それでもクリア直前までは進められていて、ストーリーのコアな部分は知れたので一旦の区切りでレビューに入りました。
そのコアな部分が結構予想外で、少しネタバレに入るかもですが、まさかのタイトルを主題も副題も綺麗に回収したのは衝撃的でした。
少し強引な気もしますが、そういう意味かと少なからず腑に落ちるストーリー展開だとは思います。
総評するとかなりの良作であることは間違いなく、面白いです。

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