一見すると「美少女ゲーム?・・・ベタな恋愛中心のゲームかな」と、プレイ前は思っていました。
とんでもなかったです。とにかくストーリーが面白いゲームでした。
時間や空間の概念が多大に影響するような小難しいファンタジーが好きな人はハマります。次から次へと泉のごとく湧き出る謎に頭使うようなストーリー展開です。
伏線も多く、ボリュームも凄まじく。
ゲーム性についてはかなり気になる部分が多いのですが、『グリモア』は明らかにストーリーに重きをおいているゲームなので、この記事でもストーリー部分が中心のレビューとなっています。
※ネタバレないように注意していますが、一部物語中盤以降の台詞を引用している箇所があります。
ゲームの基本情報
- 題名:グリモア~私立グリモワール魔法学園~
- 種類:RPG / アドベンチャー
- 記録:オート
- 画面:縦向き固定
- 料金:アプリ内課金あり
ストーリーの概要(設定部分)
最初に物語の世界観についてです。
魔法使いと魔物の戦いを描くファンタジー学園物語
ファンタジーですが舞台は現代の世界なので実在する地名が普通に出てきます。最初、架空の世界かと思っていました。

日本が中心ですが、たまに海外に行くこともあります。とはいえ、場所以外の大半はファンタジーな世界観です。
「300年前より人類を脅かす 魔物 が発生してしまい(なぜか人だけを襲う)、人の中には 魔法使い に覚醒する者が現れた」
という、ベースはシンプルなファンタジーですね。魔物には一番魔法が有効なので、魔法使いは『私立グリモワール魔法学園』にて魔法の腕を磨きます。
主人公も魔法使いへと覚醒したために学園に転校してくるところから、物語はスタートです。
学園の役割として、魔物を討伐するために『クエスト』を発行して2名以上の学園生で対応する、という組織的な構造があります。
ナルトでいう任務の仕組みと同じですね。まあ学園なので執行部とか生徒会とか風紀委員といったような役割分担はあります。
では主人公は一体どんな魔法を使うのか、と思っていたらいきなり魔法が使えないことが発覚。そのかわり過去に例のない特別な力をもっている事が第1話でわかります。
他の人とは比較にならないほどの 膨大な魔力をもっている こと。そして 魔力を他人に受け渡せる ことです。
そのためクエストに引っ張りだこな存在になってしまいます。序盤は完全に主人公がキーとなるんですけど、他にも魔物とは何なのかとか色んな謎や事件が起こるので、物語は目まぐるしく展開していきます。

50人以上の登場人物、ほぼ美少女キャラ
多分、表立ったこのゲームのウリって登場キャラがみんな可愛い『美少女ゲーム』なところだと思います。

兎ノ助(うのすけ)ってうさぎのマスコットキャラが最初に学園の男女比は2対8だと言いますが、とてもそうは思えませんね。
主人公以外の男性キャラが全然出てこない・・・と思っていたらプレイ開始から12時間くらいのところでようやっと出てきました。
何かもう男性キャラは出さない縛りでもあるのかと思っていたので、、突然の登場に思わず↓兎ノ助とおんなじリアクションをしてしまいました。笑

そんな感じに美少女キャラばっかり登場しますけども、人数はざっと数えただけで50人以上とかなり多い。なのにも関わらず、登場回数の少ない所謂『埋没キャラ』はいません。これには驚きです。
メインストーリーの中でバランス良く登場してくれるので、最初は名前が出てくるたびに「誰だ?」ってなりますが、自然と把握できてきます。

因みにメインストーリーは『クエストストーリー』と『イベントストーリー』に分かれ、クエストストーリーの中で更に『ストーリー』部分と『クエスト』部分に分かれます(イベントストーリーはストーリー部分のみ。)

第○話とついたクエストストーリーは毎話パートナーとなるキャラクターが変わります。ですがパートナーとの絡みだけではなく、同時に他のキャラクターの動きもストーリーとして進行していきます。
大体クエストストーリーは1話終わるのに30分くらいのボリュームなので、何となく深夜アニメを見る感覚になっていました。

どうしても気になる2点
グリモアをプレイしていて気になる点、細かな部分は色々とありますが、どうしてもなところを2点あげます。
アプリレビューでも多くの方がおっしゃってましたけども、グリモアはストーリーを楽しむだけのゲームに思います。
クエストのバトルは作業レベル
一応、グリモアはジャンルとしてはRPGに該当すると思うのですが、公式的には本格学園ADV(アドベンチャー)と書いてますね。
ただメインストーリー内では一方的なキャラクター同士の会話のみで物語は進んでいき、選択肢は一切ありません。
なのでアドベンチャーと言ってしまって良いかは疑問です。クエストでの魔物とのバトルはいわゆるRPGのバトルが楽しめます。
ですがこのバトルははっきり言って面白くないです。理由は一言でいうとゲームバランスによるものだと思います。

自論ですけどRPGのバトルの醍醐味は強敵をいかに戦略で倒すか、なので敵が弱すぎるとつまらないです。強すぎなのも良くないのでプレイヤーよりも少し強いくらいが丁度良いのですが。
グリモアは明らかに魔物の強さが変わりません。ザコもボスも。HPも同じ感じです。
しかもキャンペーンで最高レアリティのSSRキャラが必ずもらえ、ゲーム開始から72時間は経験値が2倍というボーナスまであります(プレイヤーレベルはポンポン上がっていきます。)
もはや最初っから強くてニューゲームみたいな感じですね。まあ私の場合はとにかくストーリーを進めたかったので、バトルは全て通常攻撃のみのオートかつ3倍速(という機能があります)でプレイしたというのはあります。
が、ずっとザコ敵は1撃、ボスも2撃で倒せてしまいました。しかもノーダメージ。さすがにこのバランスはどうなのかと思ってしまいました。
というわけでグリモアにおいてバトルは雰囲気を楽しむものと割り切って、ストーリーに集中しましょう。
ログイン直後に自動でストーリーに関する映像が流れることがある
もう一つはゲーム性ではないですがどうしても気になりました。
グリモアではログインすると最初にキャンペーンやお知らせとか更新情報等が表示されることがあります。
毎日あるのはログインボーナスの情報とかそういうのは気にならないのですが、ガチャに関するキャンペーン情報はまあ仕方ないかなとか。
「ん?」と思ったのはよく分からないイベントストーリーが勝手に始まったこと(物語は順番に進めていきたいのでとりあえずスキップしました。)
それ以上に疑問に感じたのは、「グリモアはついに物語がクライマックスに突入します!」ということでこれまでの物語を振り返るムービーを作りましたと(→これは分かります。)
その振り返りムービーが勝手に流れた時は「え??」ってなりました。「いやまだ始めたばかりの人にとっては完全にそれネタバレ・・・。」
何かよくわからない映像が自動で流れた時は即座に画面右上のスキップを押すことをおすすめします。
ユーザーレビューで6割の人が高評価なストーリーの魅力
※最初に謝りますが6割は体感的にです、正確に数えたわけではないのでごめんなさい。
それでもグリモアはストーリーがとても面白いです!という声が非常に目立ちます。
一体何がそんなに面白いのか? 気になって確かめる意味でもプレイし始めました。
最初は登場人物の多さに頭がついていかなくてストーリーは入ってきません。ですが第9話あたりまでくると大分理解できてきます。
そして第11話あたりから物語も大きく動き始めその面白さにハマり、もうこの時点では 話の続きが気になってしまっている状態 になっていました。
自分自身が感じたグリモアのストーリーが面白い理由は主に4つです。
- 物語の根底にあるのは仲間の絆
- 伏線や謎が次々に出る飽きさせない展開
- 一概に正義と悪に分断できない考えさせられる内容
- ボリューム満点なのもあり、感情移入できるキャラクターが多い
それぞれを深掘りしていきます。
物語の根底にあるのは仲間の絆
まずベースとしてあるのは仲間同士の絆を描いたお話である点です。まあこれは「キズナと魔法の~」と言っているくらいですので。
50人以上も美少女キャラが出てきてそれぞれ個性は違いますが、良い子 が多いです。
初めから良い子もいれば段々と心変わりしていく生徒もいます。その影響の中心にいるのは主人公だったりします。
クエストを通じて学園生との絆は深まり、次第に学園生同士の絆も深まっていく。特殊能力以外にも不思議な魅力をもった存在なのが主人公というわけで。

一応、主人公=プレイヤー自身という設定なので、何にもしゃべらないですけどね。選択肢もないので相手の話すリアクションから推測する必要があります。
なので、そもそも会話だけで物語が進んでいく見せ方に抵抗がある人はささらないと思います。特段、ここぞというところでムービーが流れたりというのもないので。
意外と想像力は求められます。
伏線や謎が次々に出る飽きさせない展開
個人的に一番ささったのが物語における伏線や謎が多くでてきますが、でてくるタイミングとすっきりするタイミングが絶妙に感じました。
具体的にはネタバレになってしまうのでぼやかして言うと、魔法というところで時間や空間に影響する部分があります。
なので内容的に難しかったりもするのですが、一つ疑問が解決したと思ったら新たな疑問がどんどん出てくるので飽きません。
何回か頭の中こんがらがりましたけど、思わぬ人物が思わぬ存在だったり、「あの時の出来事が・・・!?」みたいな、見せ方が上手いのでどんどん真実が気になって先を見たくなります。
一概に正義と悪に分断できない考えさせられる内容
思い返すと考えさせられる部分は多かったと思いました。
学園以外にもいくつか組織が登場するので、色々と対立する関係性は出てきます。それは思想の違いからなので、絶対的にこれが正しいこれが違うはないなあと感じました。

例えば『ライ魔法師団』という、魔法使い至高主義な団体がいます。
↓だけ見ると明らかに間違った団体に思えますけど、背景として魔法使い だから 一般人からは恐れられ、また奉仕しないといけないといった風潮から生まれてしまった団体だったり。

また共生派という魔物を生かそうとする団体が大きく対立してきますけど言い分としてわかるところもあります。

とはいっても考え方の違いを納得させるのは難しく、時にはどうしようもないことも多々ありますからね。

あと、↓この問いかけは個人的には考えさせられました。

ボリューム満点なのもあり、感情移入できるキャラクターが多い
ストーリーの量ですけど、読み物としてはかなり長いです。
実は私自身はまだ最後まで進められていません。今回、レビューするにあたってこれだけ多くの人がストーリーを推しているので、ストーリー中心に見ていこうというのは最初から決めていました。
なので隙間時間とか全部をグリモアのプレイに注力したのですが、第8部を読み終えたところで本棚に次ページが見えてしまったので悔しいですけど一旦集中プレイはギブアップします。

ゲーム内の「その他」から時系列にストーリーのリストが見れるのですが、少なからず第17部まであるのがわかりました(先に把握していれば良かったと後悔・・・。)
説明してなかったですけど、1部の中にクエストストーリーとイベントストーリーがそれぞれ4話程度あります。
クエストストーリーが1話に約30分、イベントストーリーが約15分というところで第8部までざっと計算でプレイ時間は23時間。多分、そのくらいかかっていたと思います。
ってことは第17部まであるとしてまだ倍以上の量があるので、おおよそ50時間くらいはボリュームがあると推測できます。
言い換えるとそれだけ深さもあるということです。色んなキャラクターの色んな一面が描かれています。
やっぱり何人か好きなキャラクターが出てきますし、自然と感情移入してきます。
最初はキャラクターの会話だけなのでメリハリないなと思っていたのですが、プレイし続けると意外と大した問題ではなくなってきますね(心理学でいう単純接触効果みたいなところはあるかもです。)
以上です!
最後に、もう一つ良かった点をあげるとBGMにカッコイイ曲が多いです♪
曲なので好みはあると思いますが、ストーリーの多さに比例して曲数もかなり多く感じました。
↓はお気に入りの2曲です。バトル系ですけどアコギのフレーズがカッコイイです。ループは短いですけど。
無料でインストールできますが、容量は大きいのでWifi環境でダウンロードするのが良いです。
