有料アプリゲーム『魔女の泉』のレビューです。
プレイヤーに与えられた100日間の猶予の中で、どうRPGしていくかが問われる、わりとRPG中級者以上向けなゲームでした。
従来のRPGのように、じっくりレベル上げしたり探索したりを網羅しながら進めていくのに慣れている人にとっては、新鮮に感じると思います。
100日間というキーワードを軸に、どんなゲームシステムなのか。良かった点や大変だった点。みんなの評判など。
魔女の泉をプレイしたことがない人が参考になる情報をまとめました。
ゲームの基本情報
- 題名:魔女の泉
- 種類:RPG
- 記録:手動セーブ
- 画面:横向き固定
- 料金:iOS 250円 / Android 240円
魔女の泉は「100日間をどう管理していくか」を楽しむゲーム【中級者~向け】
ゲームを始めると、まず冒頭にて「今からプレイヤーはある一人の魔女の100日間を導いていきます」と告げられます。

その他、世界観は語られるものの特段、ストーリー上の目的は語られません。
この時点では、まだ100日間が何を意味するのか、全くわからないまま進めていくことになります。
プレイヤーの行動によって時間が経過するシステム
魔女の泉の主人公は魔女の「パイベリー」

プレイヤーは彼女を自由に動かしていくことになりますが、事あるごとに時間は経過していきます。
#主な時間経過となる行動
- 回復のため、家のベッドやテントで休む
- フィールドで素材を入手
- 敵とのバトル
- マップの切り替わり
- キャラクターを成長させる「修練」
- 素材の調合
100日(2400時間)ってかなり長いと思うかもですけど、気がつくと「50時間以上経過」はよくあります。感覚的には結構進みが早く感じました。

最初は訳が分からないまま時間管理をしていかないといけない。
これが魔女の泉のシステムの難しいところですが、理解してくると段々とやり応えが感じられてきます。
下の画像はよく利用することになる、いわゆるショップですけど、常にいるわけではないという・・・。

キャラクターの成長はアイテムか「修練」のみ
RPGなので主人公のパイベリーは成長していきますが、バトルでは成長しません。
魔女の泉のバトルは勝っても素材などアイテムの入手のみです。
どうすれば成長するかというと、基本的には「アイテム」か「修練」かの2択のみ。簡単に成長させられるのは「修練」です。
修練に必要なコストは「体力かマナの値」と「時間」・・・なのでここでも時間管理。
ちなみに体力は一般的なRPGにおけるHP、マナはMPのことです。

普通のRPGでは、慎重派な人はじっくりレベリングしてからボス戦に挑むと思いますが、魔女の泉ではそれが叶いません。
常に時間との戦いになるので、適切なタイミングで適切にキャラクターを成長させられるか。野生の勘みたいなのが必要になってきます。
ストーリーの全体ボリュームは中盤以降にならないと見えてこない
一番の難関なのは、ストーリーがどのくらいあるのかボリュームを想像しないといけないところですね・・・。
ボリュームが見えないので、現時点での残日数が残りのストーリーに対して余裕があるのかないのか・・・。結構不安になります。
しかも、何気に敵が強くなるペースは早めです。ある程度、キャラクターも強くしないと中盤以降は勝てなくなっていきます。
キャラクターの成長にどこまで時間を割くか、どうバランスを取っていくかは非常に重要です。

私は前半、とりあえずわからないので全部のイベントやバトルを網羅しながらやっていきました。
後半になると「あれ、このままでは日数が足りなくなるのでは?」と焦り、とにかくストーリーを進めることに集中。
結果、96日目でクリアという、結構ギリギリな戦いでした。
ストーリー中盤以降ともなると、(ストーリーに直接関係のない)寄り道できるマップが増えたりするので、寄るか寄らないかの判断が悩ましいんですよ。
完璧主義者には辛いゲームかもです。
とにかく100日間でどこまでこなせるか勝負のゲーム性
魔女の泉の恐ろしいのは、ゲームオーバーがないこと。

プレイヤーがどんな行動を取ろうが、100日が経過してしまったらそこでエンディングです(まあ普通に考えてバッドエンドですよね・・・。)

ちゃんとストーリーはあってラスボスもいますが、プレイによってはラスボスに会えない可能性もあり。
だからといってクリアを急ぎ過ぎると、今度は内容の薄いゲームになってしまいます。
一応マルチエンディングとのことで、何周かは楽しめることが前提ではありますが、なるべく100日間をフルに活用しながらストーリーも楽しむのが、このゲームの本質かなと思います。
主人公は魔女、バトルの鍵はとにかく「魔法」に有
主人公のパイベリーは魔女です。魔女ならではな戦い方がバトルには反映されています。
集めた素材を調合して新しい魔法を生むシステム
魔女といえば「魔法」ですよね。
物理攻撃もできるんですけど、魔法の方が圧倒的に強いので、魔法を使った戦い方が主軸となります。
では魔法はどうやって覚えるのか。
覚え方も魔女らしく、大きな釜に集めた魔法素材を調合させて、新しい魔法を作っていきます。



魔法素材はフィールドに落ちていたり、敵を倒して入手したり。
なので、ここも覚えさせたい魔法に対して必要な素材がどこにあるのか、計画的な探索が必要になってきます。
ストーリーが進めば新しい魔法図鑑を入手できるので、魔法のエフェクトもどんどん派手になっていって楽しいです。

覚えた魔法陣は組み合わせが可能
魔法は調合によって魔法陣を作る形ですが、ベースとなる魔法以外に2パターンの魔法陣があります。
魔法陣は3つまで組み合わせることができて、組み合わせることで魔法の威力を上げたり、消費マナを下げたり。


魔法の消費マナの量は結構大きいので、魔法が大事な戦闘システムですからマナの量の管理は重要になってきます。
というのも、家のベッドで休んだだけで9時間も時間が経過するので何度も休んでられないからですが。
敵とのバトル時も魔法主軸とはいえ、できる限り弱い敵には魔法を使わずに倒す、とかですね。
時間管理の影響で、バトルの立ち回り方も考えていかないといけません。
主人公を支援するペットの存在
シンプルなコマンドバトルゆえに単調になるところを、ペットの存在のおかげで少しユニークにしてくれています。
ペットはイベント時やマップの特定の場所に存在していて、バトルで勝つと入手できるのですが、結構種類は多く。

ペットごとに特殊能力を持っているので、敵によっては有利に働けたりできます。
特殊能力もコマンドで選択して発動するタイプと、常に発動するタイプとあり、どのペットを連れていくかを考えるのは楽しいです。

ストーリー1周のボリュームは10時間程度
RPGなのでストーリーはあります。
ですが、操作キャラは1人なので、仲間との濃厚なストーリーを楽しむゲームではないというか・・・。
ゲーム性の本質はあくまで100日間の時間管理に思います。
とはいえストーリー中には、主人公以外に何人か主要キャラは登場して。
例えば物語の序盤で登場する、魔女の使い魔的な存在になるブラックジョー。最後まで一緒に旅する非常に重要なキャラクターです。

主人公とブラックジョーのコミカルなやり取りは見ていて楽しくなります。


魔女の泉の世界観としては、ざっくり人間は魔女を恐れるがゆえに魔女狩りなど酷い仕打ちをしてきた。それは今も主人公のパイベリーに対しても・・・。

という中で、パイベリーは道中色んなことを知ることになり、最終的に人間とどう向き合っていくことになるのか。
それがプレイヤーの行動によって変わってくる形です。

時にはほっこりするエピソードもあり、全体的には物語としても楽しめる内容ではあります。
魔女の泉はここが大変【操作性に難あり】
ゲームの完成度としてはいくつか難が感じられました。
以下は具体的な3点について。
キャラクターの移動が慣れるまで大変
特にスマホでキャラをフィールド上自由に動かせる系のゲームに慣れていない人は大変だと思います。
キャラクターの操作はタップした箇所に向かって移動していく仕組みです。

連続操作は可能ですが、例えば上に行きたければ画面の上側をタップしないといけないので、わりと画面上を目いっぱい操作する感覚で。
コンシューマーゲームの十字キー操作のイメージにはいかないので、私は最後まで操作が苦手でした・・・。
あと人に話しかけるのに人にぶつかる必要があり、再度話しかける場合は一旦少し離れてからまたぶつからないといけない。
この仕様は改善してほしかった点ですね。
全体的にユーザーインターフェースが不親切
結構、昔のRPGの雰囲気というか、チュートリアル含めてそこまで親切なわけではないです。
例えば、ショップでメニュー選択後に閉じるボタンはあるけど戻るボタンがなくて、再度話しかける操作をしないといけない面倒があったり、
アイテムを入れるカバンの、今何個まで入れることができるか数の表示がなかったり、
家の中のアイテム整理ができる場所についてはチュートリアルがなかったり、
あげると細かいですが、昔のRPGのように手探りで進めていくような姿勢は必要かもしれません。
あと翻訳がところどころおかしな点もありますね・・・。

グラフィックがゴリゴリのポリゴンで見難い
最初、フィールド画面を見た印象は「木の表現が凄いな・・・」でした。

それはまあ良いとして、フィールド上の行ける場所と行けない場所の境界があいまいだったりするので、マップと見比べるのに慣れが要ります。
そしてマップにおいては、全体マップがないです。
操作の難しさも相まって、探索がたまに辛くなる時がありました。

みんなの評判まとめ
箇条書きで簡単にですが、みんなの口コミやレビューコメントをまとめました。
全体的には高評価が多かったです。
魔女の泉はここがダメ
・誤字や日本語の不自然さが気になる
・いくつか進行不能やフリーズするバグがある
・タップの反応が悪くストレスが大きい
・説明不足と敵の強さからどう進めて良いかがわからない
海外作品(韓国製)なので、翻訳による不自然さを指摘する方は多いですね。
また、操作性に不満をもつ方が多い印象を受けました。
魔女の泉はここが面白い
・値段を考えると納得のクオリティ
・最初は何をして良いかわからなくて戸惑うが、段々とストーリーに惹き込まれていく
・やり込み要素が多い、エンディング後も色々と楽しめる
・ほど良く難易度が高いのでやり応えがある
・時間制限の中でどうやっていくのか考えるのが面白い
難易度に関しては人によって捉え方が違っていましたが、やり応えがあって満足したという声が多いです。
マルチエンディングによる周回を楽しむ要素もあってか、ストーリーのボリュームにも満足した方が多い印象です。
【個人的な総評】段々とクセになっていくスロースタートに面白いゲーム
魔女の泉は個人的には面白かったです。
最初はバトルが単調な点と、操作性の悪さが目立ってつまらなく感じましたが・・・。
物語中盤になると魔女の泉がどういったゲームなのか理解できてきて、そこから面白くなっていきました。
特に行動範囲が広くなり、イベントも多数発生する物語後半ですね。
そして各地で待ち構えている強敵たち。特段、倒さなくてもストーリーは進められますが、心情的にはチャレンジしたくなるもので。
時間との兼ね合いでどう取捨選択していくか、かなり判断に迷うゲームでした。
できたら全てのイベントを回収しつつエンディングを迎えたい。そんなやり込み魂を刺激するようなゲームに思います。